眠くなる2つの理由

そもそも、どうして人間は眠くなるのでしょうか。
最初に簡単に睡眠のメカニズムを説明しましょう。
眠くなる原因は、主に2つの働きが関係しています。
簡単に言ってしまえば、
◆疲れたから寝る(恒常性維持機構)
◆夜になると眠くなる(生体時計機構)
の2つです。

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この2つの働きが状況によってお互いに関連しながら、
睡眠の質や量、タイミングを制御しています。

恒常性維持機構とは、
生き物が命を維持するために体の内部を一定の状態に保とうとする働きです。
簡単に言えば、脳や体が疲れると休ませる機能です。
脳が高度に発達した人間は、
脳を休ませないと死んでしまいます。
疲れてくると無意識に睡眠を促す物質が溜まり、
睡眠中枢に働いて眠くなります。

生体時計機構とは、その日の疲れなどには関係なく、
一定の時間になると眠くなるという働きです。
この働きは、脳の奥深くにある、「視交叉上核」という部分が、
調整しています。
この部分からの指示によって、
睡眠を促すメラトニンという物質が夕方から体内にどんどん分泌され、
やがて夜になると眠くなるというシステムです。

 

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p20


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