今回から良い睡眠を取るコツについてお話します。
まず大切なのは、睡眠について知ることです。
今後睡眠障害について書く予定ですが、 これまでは睡眠本来の役割や働きについて書いてきました。
それは、睡眠の知識や情報について知っていただきたいと思ったからです。
睡眠について知れば知るほど、大切さも認識できます。
睡眠(眠気)には年、月、日々のリズムがあります。
これは食事や運動、労働などの影響を強く受けます。
夜間の眠気は日中の活動のたまものです。
良い睡眠を取るには、夜間の睡眠だけに気を配るのではなく、 日中だらだらと居眠りなどをせずに、
食事や運動を規則的にして、メリハリをつけて生活することが大切です。
健康増進のために昼寝をするなら、 午後1時~3時ごろまでに30分以内にすることがお勧めです。
この時間帯は、朝の5時ごろに次いで、本来の睡眠リズムでも眠くなる時間です。
ご飯を食べたから眠くなるわけではありません。
3時以降の昼寝や30分以上の昼寝は、夜の睡眠に影響し、寝つきを悪くします。
30分以内なら、浅い睡眠から覚醒するので目覚めも良く、作業効率が高まります。
30分以上になると深睡眠が出現します。
深睡眠から急に覚醒すると、
睡眠慣性(寝ぼけ・起きてからしばらく頭がボーッとして働かない状態)が長くなり、
ミスや事故の誘因となります。
睡眠不足解消の昼寝なら、90分程度は必要です。
コーヒーなどに含まれているカフエインの覚醒効果は飲んで30分程度で現れ、 数時間持続します。
30分程度の昼寝の目覚めをよくするには、 コーヒーやお茶を昼寝前に飲んだ方が良いようです。
運動は、就寝三時間前に30分程度の軽いものがお勧めです。
睡眠と体温は密接に関係しています。
体温が下がるときは入眠しやすく、逆に体温が上がるときは覚醒しやすくなります。
運動で体温を〇・五~一度上げて、下がる時刻に床に就くと、寝入りが良くなります。
外部から温める入浴も寝つきをよくしますが、 内部から温める運動の方がより効果的です。
激しい運動や熱すぎる風呂は交感神経が興奮しすぎてストレス反応を引き起こし、 逆効果となります。
出典:名嘉村 博 「良い眠り 良い人生 14」 『琉球新報』 2008年7月29日