高齢者はなぜ眠れない?

お年寄りが「よく眠れない」
とこぼしているのを聞いたことがありませんか?

高齢者になると睡眠時間は短くなります。
その理由は、睡眠の質の変化が原因のひとつとして考えられます。

1日の睡眠パターンを見ると、子どもは深く質の良い睡眠となっていますが、
高齢者は睡眠が浅くなり、中断して細切れ状態になっているのがわかります。

そのほかの原因として、
基礎代謝量の減少があります。
エネルギー消費が大きい動物ほどよく眠るという研究結果があります。
重い体で飛び回るコウモリや、四六時中動き回るネズミなどは
他の動物と比べても長い睡眠時間が必要です。
人間は加齢とともに徐々に基礎代謝量が落ちて、
睡眠時間も若い時よりも必要でなくなるという考え方もできるのです。

もし眠れないことで悩んでいるお年寄りが身近にいたら、
睡眠時間の長さにこだわるよりも睡眠の質が大切で、
しっかり活動するとよく眠れますよと教えてあげてください。

 

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p31


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