眠りと体温の相関関係

「良い眠り」「良い目覚め」のためには、
一晩の睡眠のパターンを知る必要があります。
一晩の眠りは、眠ってから起きるまでずっと同じ深さではありません。
健康な人であれば、
眠りに入ってすぐに深いノンレム睡眠に達し、
その後周期的にレム睡眠とノンレム睡眠が見られ、
朝方には浅い睡眠から目覚めます。

体温も1日中一定ではなく変化します。
夕方に最も高くなり、下がり始める頃に眠りに入るパターンになります。
明け方もっとも体温は低くなり、
その後、目覚めにそなえて再び徐々に上昇していきます。

お母さんたちは、赤ちゃんの体がぽかぽかと温かくなると
「眠くなったのね」と経験からわかっています。
大人でも眠くなると手足がぽかぽかしてきます。
これは手足の血管を拡張し、脳の温度(深部体温)を下げ、
眠らせる機能です。
冷え性のヒトが眠りにくいのは、
手足が冷たいと血管が収縮しているために熱放射がうまくいかず、
深部体温が下がらないためです。
ですから、入浴や湯たんぽなどで適度に温めると、
手足の血管が拡がり深部温度が低下して、
眠りに入りやすくなります。

 

 

 

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p23


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