人は朝起きて日の光を浴びてから
十五時間前後で眠くなるように体内時計がセットされている。
午前六時に起きると、 午後九時ごろから眠りの準備が始まる。
眠くなったら眠るのが体には一番良い。
熟睡感がないときには、
長く寝床にいるのはかえって逆効果である。
遅寝、早起きにして、
睡眠時間をある程度制限すると、
深い睡眠と熟睡感が得られることが分かっている。
これを「睡眠制限療法」という。
睡眠時間は個人差が大きいので、
八時間という長さにこだわる必要はない。
朝にすっきり目覚めて、
昼間に眠気がなければ良い睡眠
が取れていると考えるべきだ。
前述したように、朝起きた時間で、夜眠くなる時刻も決まる。
休日に午前十時まで眠っていると、
その晩に眠くなる時刻が遅れる(深夜一時ごろ)ため、
月曜日の朝は睡眠不足となり、調子が悪くなる。
休日こそ早起きして活動すると、その晩は早く眠くなり、
睡眠時闘が十分取れて、
月曜日の朝をすっきりと迎えられるだろう。
朝の光は体内時計のリセットに最も重要である。
また、朝食は、脳へのエネルギー補給となり、
体温を高めて活動レベルを上げることに役立つ。
規則正しく食事を取っていると、
食事前から消化器系の運動が活発となり、心身ともに快調になる。
適度な運動習慣は睡眠を深くし、熟睡をもたらす。
以下の川柳は読み人知らずではあるが、
読者の皆さんの快眠の手助けになればと思い紹介する。
(一部は筆者が改変した)
【よ】良い眠り 眠くなったらベッドヘ
【い】居眠りは 15時前の20分
【ね】眠れずに 酒を飲むのは逆効果!
【む】むずむず脚、いびき、無呼吸要注意
【り】リラックス、睡眠環境整える
【を】遅寝、早起き 浅い眠りに効果的
【え】8(エイト)にはこだわらないで 睡眠時間
【る】ルーズな休日 月曜朝がつらくなる
【た】たえられない 強い眠気は要注意
【め】メリハリをつけて運動・朝ごはん
【に】日光を浴びて動けば不眠なし
【は】早めの相談 睡眠薬をうまく使おう
出典:宮崎総一郎 「眠りの不思議16」 『秋田魁新報』 2009年5月18日