筋トレと食事指導で快眠

睡眠健康指導士として活躍されているMさん(46歳・女性)の話です。
Mさんは鏡に体を映すと、どことなく下がってきているし、
たるみが気になるようになりました。
若かりしころの体になるために(アンチエイジング)、
本格的なジムでマンツーマンの筋トレを受けることにしました。
食事指導も一緒に受け、彼女の体つきを見て、
トレーナーが運動と食事のプログラムを作ってくれました。

 

イライラも消え

 

最初の3カ月は、筋肉の肥大を目的として、
かなりの量を食べさせられました。
例えば朝にご飯が180㌘(90㌘=1単位)、
タンパク質として鶏ささ身、鶏ムネ、マグロなら100㌘、ツナ缶2缶。
根菜を除く野菜ならいくらでも食べてよいのですが、油と砂糖は取っていけないのです。

昼も同じ量を夕方の6時ごろまでに、炭水化物を1単位(おにぎりl個)、
夜9時ごろまでに、タンパク質100㌘、野菜などを食べました。
間食として午前10時半、午後3時半、就寝前の12時ごろに、
牛乳由来のホエープロテインという食品を大さじ山盛り2杯を取り続けました。

これに週2回の筋トレを1時間半ずつ行いました。
選4回の部屋でのマシンランニングをl時間。
それまでは非常に寝付きが悪く、むずむず脚もあり、夜間にたびたび起きていました。
日中も疲れやすく、イライラしてと主人にあたったこともしばしばでした。

しかし、運動を始めてから7日後には肩凝りこりがなくなり、
2週間後には、見違えるほど元気になりました。同じころから、ぐっすり眠っているように感じました。
むずむず脚も1カ月ぐらいで、すっかりなくなりました。
3カ月後には絞り込みの段階に入り、
食事量を減らし、ご飯を半分、タンパク質も75㌘にしました。
よく眠れているとのことで、26%あった体脂肪率が今では8%になりました。
ただ問題なのは、この筋トレ+食事指導には、
最初の6カ月は月15万円(5種類のサプリメント支給、1時間半の個別指導)もかかることです。

 

肉や魚と納豆を

 

彼女の朝食を分析してみると、
まさに元気のホルモン「セロトニン」、眠りのホルモン「メラトニン」の原料となるトリプトファン
を多く含んだ朝食でした。
セロトニンやメラトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から体内で合成されます。
光がある間はセロトニンになり、光がなくなるとメラトニンに変化します。
トリプトファンは体内で作ることができないので、食事から取るしかありません。
トリプトファンを多く合む食品には肉や魚、納豆、卵などがあります。
これらの食品と脳のエネルギー源になる糖質を朝食でバランスよく取るとよいのです。
朝ごはんをしっかり食べて光を浴びてよく働くとセロトニンが作られて元気になり、
夜になると、トリプトファンはセロトニンを経由してメラトニンが作られぐっすり眠れます。

Mさんは朝、いつも5時に起き、娘さんのお弁当を作っています。
睡眠センターの所長としての仕事を6時間くらいします。
その間に6頭の大型犬の世話をして、夜は12時に就寝します。

以前だと、日中に昼寝が欠かせませんでしたが、今はしなくなり、
「ああ、疲れた」とも言わなくなりました。
筋トレ前は、散歩でも20分以上は歩けず、階段も上りたくありませんでしたが、
いまは体は軽く動くそうです。夜8時ごろに、
ランニングかゴルフの打ちっ放しに行き、水をl日4㍑飲んでいます。
好きだったコーヒーも、今は飲まなくなり、l年半になりますが、
風邪も引かなくなったとのことです。

 

「出典:宮崎総一郎 『全国商工新聞 』2013年3月18日」

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