自分の特性つかむ

眠りには個人差があり、朝型と夜型、長眠型と短眠型などに分けられます。
朝型は、寝つきがよく早寝早起きで、午前中に最も仕事がはかどるタイプです。
夜型は宵っ張りの朝寝坊で、午後にならないと調子が上がらず、
夕方から夜にかけて能力が最高になるタイプです。
朝型、夜型とも睡眠時聞はほぼ同じですが、
朝型はベンジャミン・フランクリンの格言のように
「早寝早起きは人聞を健康、裕福、賢くする」と、
社会的にも個人的にもポジティブに評価されることが多いです。
一方、夜型は寝つきが悪く、目覚めが良くない、寝足りないなど、
睡眠に対する満足度が低い傾向にあります。
朝型は夜更かししても早く自が覚めるので、
夜型のように朝寝をして睡眠時間を補うことが難しく、
睡眠不足に陥りやすくなります。
夜型は夜勤や不規則な職場に適応しやすいのですが、
睡眠の融通がきく半面、生活習慣は不規則になりやすいといえます。

6時間以下の睡眠でも十分な人を短眠型、
9時間以上でないと寝た気がしない人を長眠型と分類します。
短眠型も長眠型も、睡眠で最も重要な深睡眠の長さは同じです。
短限型はコンパクトで無駄のない睡眠を取ります。
長眠裂は中途覚醒や浅い睡眠、レム睡眠が長くなります。
レム睡眠を長くすることで、日中のストレスを解消しているという説もあります。

長眠型と短眠型の良しあしは別として、性格面でみると、
長眠型は内向的で神経質ですが創造力が高く、芸術家に多いようです。
一方、短眠型は外交的、精力的で企業家や政治家などに多いようです。
アインシュタインは長眠者で、ナポレオンやエジソンなどは短眠者とされています。

睡眠時間の長短が極端になると、死亡率は高くなります。
睡眠時聞が4時間以下や10時間以上の人は、
平均睡眠時間の人の1.5~2.8倍 も死亡率が高くなっています。
極端な短眠や長眠は、何らかの病気であることが多いため、
睡眠の長短だけが死亡の原因とはいえません。
しかし、健康で平均睡眠時聞が七時間前後の人が、最も死亡率が低いようです。

元気であれば睡眠時間に強くこだわる必要はありません。
自分の睡眠特性をつかみ、活用することが大切です。

 

出典:名嘉村 博 「良い眠り 良い人生 12」 『琉球新報』 2008年7月15日

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