眠りを良くするために

島根県の横山先生(40歳、男性、仮名)から寄せられた短文を紹介します。
筆者は、横山先生が働いている学校で、睡眠の授業を毎年行っています。
睡眠の授業を生徒と一緒に聞いていた先生が、
自らの睡眠によくなかったことを改善しました。
その結果、とても良く眠れるようになり生活が充実したとのことで、
その経過を次のようにまとめてくれました。

 

睡眠リズム意識を

 

「ピピピピピッ」「ピピピピピッ」。
目覚まし時計の小さなアラーム音で目が覚める。
布団の中で背伸びをして起き上がる。
そして仕事に向かう支度を行う。
ここ数ヶ月、このような朝の過ごし方が続いている。

1年前の私は目覚まし時計を2つ、携帯電話のアラームをセットしていた。
アラーム音が鳴り響いても、それを止めて数分後にアラーム設定をして、
いわゆる二度寝をしていた。
気持ちよく起きた記憶がほとんどない。
身支度をして重い体を引きずりながら仕事に出かける。
仕事中は気が張っているのか眠気やだるさもあまり感じていないが、
昼休憩や仕事を終える時間には疲れが一気に出る。
そんな積み重ねで心身ともに疲れていたように思う。
最近は心身ともに好調だ。
朝の目覚めも良い。
1年前とここ数ヶ月の私の違い・・・やはり睡眠だと思う。
宮崎先生が「適切な睡眠がいかに大事なのか」を話してくれた。
話を聞いてから睡眠への意識が変わった。
睡眠のとり方を少しでも変えてみようと意識的に取り組んだ。

以前は疲れをとるため家に着くと少し休んで、
その後は鞭を打ちながら寝る寸前までパソコンとにらめっこしていた。
授業を聞いた後は寝る前の視覚刺激を抑えること、
自然に近い睡眠リズムを整えることを心がけ、
以前は2時、3時に床についたのを23時には寝るように心かげた。
パソコンも22時までの使用としそれ以降はゆっくりと過ごした。

今は昼休憩に寝ることもなくなった。
仕事を終えても眠気は襲ってこない。
仕事中も頭が働いているのがよくわかる。
意識して睡眠リズムを整えることを心がけ、そして今は習慣化された。
小さなアラーム音で目が覚める。
気持ちのよい朝を迎えて1日が始まる。
睡眠を意識することで毎日が充実したものに変わっている。

 

テレビは夜9時まで

 

夜更かししてパソコンや携帯メールを使う人が多くなっています。
夜に目から入る光は、交感神経を活性化し、目が冴えて眠れなくなることにつながります。
中高生もよく眠れていないのです。
私がある中高一貫校の1500名で調査したところ、
寝つきの悪い(30分以上眠るのにかかる)生徒が40%近くにも上りました。
彼らは遅くまで携帯やメール、インターネットをしているため眠れなくなっているのです。
彼らは、眠れないときには携帯やパソコンで目を疲れさせて眠ると話していましたが、
これは間違った対処法です。

眠りを悪くするパソコンやメールは朝一番にすることをおすすめします。
朝に刺激を与えることは、脳をしっかり覚醒させるのに有効です。
早朝メールを受け取った相手は、きっとあなたのアクティビティーにきっと感心するでしょう。

さらに、夜いつまでも部屋を明るくしていると、
眠気を誘うホルモンのメラトニンが生成されず眠くなりません。
あるビジネスマンが、
「新幹線の最終に乗って帰宅すると、なぜか寝つきが悪い」と話していましたが、
これは夜9時以降に列車内の明るい光を浴びたために、
眠りのホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されたからです。
パソコンは夜遅くにはしない、テレビは9時以降見ない、
部屋を暗めにすると、節電にもなりエコにもなり、
よく眠れて健康になる、一石4鳥です。

 

「出典:宮崎総一郎 『全国商工新聞 』2012年8月27日」


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