眠りがよくなる「睡眠の授業」

カーテンを替えて

 

島根県の専門学校で、睡眠に関する授業をしていますが、
その学生さんたちの授業を受けて1か月後の感想文をご紹介します。

加奈子さん (18歳)
私は浜田に来て1人暮らしをするようになってから、カーテンを遮光カーテンに変えました。
その理由は、夏は朝5時から朝日が上がり、
それで早く目が覚めてしまって、イライラしていたからです。
でもそれは夜遅くに寝ていて、自分の必要な睡眠が足りてなかったからだとわかりました。

実家暮らし(高校生まで)のときは、クラブ活動をしていたこともあって、
毎朝決まった時間に起きていたし、朝ごはんも4品は食べていたと思います。
そのころは授業中に寝ることはまずなかったし、身体だって軽く感じていました。
睡眠の授業を受けて高校生のころの生活に少しずつ戻していこうと思いました。
1人暮らしなので、なかなか難しいと思いますが、
まずカーテンを遮光カーテンから普通のカーテンに戻して、
朝日とともに目覚めるようにしたいと思います。
私は普段からテレビを見ないのですが、その分携帯電話を使っています。
布団の中での携帯の使用を減らすことで、寝つきを良くしたいと思いました。

また、なるべく太陽の光をあびるようにしたいと思っています。
そうすることで、元気が出てうつも予防できるのなら、すごく簡単だと思いました。

今回の授業は、睡眠の大切さを学び、自分の睡眠を見つめなおす良い機会になりました。
良い眠りの6つの習慣を少しずつ、                                                                                                           1つずつ確実にクリアできるように努めていきたいと思いました。
① 早起きすると早寝が出来る
② カーテンを10cm開けて寝るとよい目覚め
③ 朝・昼はしっかり食べて夜は少なめ
④ 夜遅い食事は肥満のもと
⑤ 夜は暗くして快眠モード
⑥ 明るい照明は寝つきを悪くする

幸子さん(18歳)
今回の授業を受けて、私は明らかに睡眠不足だったと思いました。
夜はいくらでも起きていられるけど、朝は早く起きることができなく、
授業中もいつも眠っていました。
7時間から8時間眠らないと体はきちんと機能しないのに、
それの半分くらいしか寝ていませんでした。
そして土日にバイトがない日は、寝だめをしようと10時間くらい普通に寝ていました。
これから実践したいことは
① 遮光カーテンを止めて、レースのカーテンにする
② 夜にコーヒーを飲むのをやめる
③ なるべく朝決まった時間に起きる
④ 電気をもう一つ暗くした状態で、寝る前を過ごす
⑤ ベッドの中で携帯をかまい過ぎない
⑥ ベッドを寝る所という意識にする
⑦ 朝、3品は用意して食べる
⑧ 夜型なのを直す
です。

 

1ヶ月で効果が

 

この学生さんたちに協力していただいて、授業の前と後で睡眠に関する調査をしました。
眠気の点数(正常は10点以下)、授業前は11点以上でしたが、
1か月後には9点まで改善し、3か月後もよくなったままでした。
睡眠の質を見るアンケートでも、授業後には睡眠の質が良くなっていました。
その効果のあった理由は主に、睡眠時間が長くなったことによるものでした。

また、筆者は高校の先生たちに同様の睡眠講義を実施したことがあります。
その中で寝酒が睡眠には悪い効果を及ぼすと話したところ、
週に2~3回飲んでいた人は、寝酒を止めて睡眠が改善していました。
ただ、毎日飲んでいた人は、講義後も寝酒を止めないで睡眠もよくなっていませんでした。
このように、睡眠に関する知識を学ぶだけで確実に睡眠は改善されます。
筆者はこれからも、「眠りで日本を元気にする」ために
地域の皆さんに睡眠の話をしていこうと思っています。

 

「出典:宮崎総一郎 『全国商工新聞 』2012年8月13日」


カテゴリー: 附属高等学校 【講義リスト】