夜間の強い照明に気をつけよう

昔と今の一番の違いは光の環境です。
繁華街やコンビニ、オフィスビルなど、
夜になっても煌々と明るい環境が植物や生物の生体時計を狂わせています。
京都のあるお寺では、夜間も紅葉を楽しんでもらえるようにライトアップをした結果、
木々がリズムを狂わせ、紅葉が鮮やかさを失ってしまったといいます。

人間も例外ではありません。
昔は朝日とともに起きて、
戸外で作業をし、夜に日が落ちると家に戻り、眠る。
そういう生活を人間は長い間続けてきました。
ところが現代は、
夜遅くまで明るい光が溢れています。
社会的な生活時間が遅くまでズレていることも合わせて、
大人も子どもも明るい夜の影響を受けています。

しかし、このような生活はわずか半世紀ほど前からのこと。
人間の体は依然太古のリズムを刻んでいるのです。
睡眠に大切なメラトニンは明るい所にいると分泌が抑制されます。
メラトニンが減少すれば眠くなる時間が遅くなっていきます。
特に一番影響の強い夜8時から10時の間に強い光を浴びると、強く影響が出てきます。

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p51


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