こどものいびき

お子さんがいびきをかいていたら

あなたのお子さんがいびきをかいているときに、パジャマの胸をはだけてみて下さい。
このように、胸が呼吸にともなってへこんでいるときには、注意が必要です。

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    <図>息をはいたとき → 息を吸ったとき、胸がへこむ
こどものいびきの原因
子供のいびきの原因のそのほとんどは、へんとう腺肥大によるものです。
口を開けると、のどちんこの横に大きく肥大したへんとう腺が見えます。
しかし、のどちんこの後ろの上には、口からは見えませんがアデノイドが隠れていて、
鼻づまり、ひいてはいびきの原因になります。
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アデノイドと扁桃腺
アデノイドとへんとう腺により、手術前には気道がせまくなっています(矢印)。
手術により、アデノイドとへんとう腺をとると、気道は広くなり、いびきは消失します。
つまり、子供のいびきの原因は、アデノイドとへんとう腺による気道の狭窄です。
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漏斗胸-狭くなった気道-
狭くなった気道を通して無理に呼吸をすると、
いびきが生ずると共にこのような漏斗胸になってしまいます。(みなさんがポンプを引っ張ると途中のチューブがつぶれてしまうのと同じ現象です。)
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胸郭変形
子供によっては、このような鳩胸の胸郭変形になる場合があります。
いずれにしても、いびきがひどい場合にはこのような胸郭変形の原因となります。
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いびきの影響
いびきの影響は、胸郭変形のみならず、睡眠-覚醒リズムの乱れを生じます。
これは6歳の女の子のいびきの治療前後で、
お母さんが朝の起床時間、昼寝の時間、就寝時間を記録したものです。
治療前には、遅くまで寝ているため、赤い矢印のように、
お母さんが無理矢理起こさなければなりませんでした。また、週に6日も長い昼寝をとっています。
夜は、9時前に寝ないので、赤い矢印のように、むりやり寝かしつけなければなりませんでした。
いびき治療後には、呼吸が楽になるので、夜十分眠れるようになり、
早く起きることができるようになり、昼寝もしないで遊ぶようになりました。
夜は疲れて自分で眠るようになっています。
治療前のおそ寝・おそ起き.昼寝のパターンから、
子供らしい早寝早起きでよく遊ぶ健康的な生活パターンになっています。
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扁桃腺手術による症状改善例
へんとう腺を取ったことで、いびきはなくなり、呼吸障害が改善して、
胸郭変形もこのように治ってきています。
(4歳から5歳までに治療することが必要です。)
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これはへんとう腺手術前後の表情です。
手術前にはアデノイドのために鼻づまりを生じ、口呼吸となっています。
また、胸の変形とやせを認めます。
手術一ヶ月後のひきしまった表情をみると、
いかにいびきによる呼吸障害・睡眠障害のひどさがわかります。
子供にとって、ひどいいびきは成長・発達の障害になることがありますので、
積極的に専門医の診断・治療が必要です。
その際、以下のようなビデオ記録をご両親が撮って診察に行けば、診断が容易となります。
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病院を受診する前に
病院を受診する際には、お子さんが寝ているときの様子をビデオに撮ってください。
お子さんの呼吸のひどいとき、
パジャマの胸を開いて下の写真のようにビデオを5分間撮って先生に見せてください。
そうするとおやごさん並びに医師の理解が深まります。
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相談:扁桃腺肥大について        Date: Sun, 1 Feb 2004 22:10
初めまして。ご相談申し上げます。
息子は現在6才で、この春から一年生です。生まれつき胸の陥没があり、漏斗胸と診断されました。当時は手術するほどではないでしょうと、近隣の小児内科の先生のお話だったのですが、風邪を引くたびに喘息様の発作をおこし、1才半のときに「クループ」で呼吸がしにくくなり入院、その後は頻繁に喘息様の小発作を起こし、そのたびに吸入をしに病院に駆け込んでいたのですが、H13年よりアレルギー専門の小児病院に変わり、そこでアレルギーによる小児喘息と診断され現在は一日一回のインタールの吸入を続けています。
ただし、私が思うには、今まで小発作を起こしたのは必ず、風邪をひいたときだけ、扁桃腺が4度(?)に近く大きい事(耳鼻科の先生は取るかどうかの瀬戸際にあるとのこと)、いつも就寝時は口呼吸をして、時々数秒間の無呼吸状態になる、成長が他の兄弟に比べてかなり小さい(身長110cm,体重18kgで5才ぐらいの平均しかない)など考えると扁桃腺肥大も漏斗胸もお互いに因果関係にあるのではと思えるのです。
この一年で保育所は50日あまりお休みしました。二度の入院(髄膜炎、不明の高熱)もし、このまま小学校に入って元気に大きくなっていくのだろうかと不安になります。扁桃腺の手術をするとすれば、(最近ではなるべくなら手術しない方向だと聞きますので)どのような条件が必要でしょうか?息子はかなり頻繁に風邪をひきせきが止まらなくなりますが、そのたびに高熱をだすほどではありません。(怪しいと思ったらすぐに抗生剤をのませるからか?)夜中はひどいいびきと時々数秒間の無呼吸になりますし(無呼吸は数秒で10秒もないです)、虫歯は一本もなく歯磨きには自信がありますが(私が歯科衛生士ですので)夜中はかなり口呼吸のせいか口臭がします。いびきは私もひどいですし主人もします。また私の父はかなりのいびきをかく人で、怖いくらいの無呼吸状態になるようです。手術することで元気に体格などもしっかりしてくるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳がございませんがお手すきの時に先生のご意見お聞かせ下さい。
診察報告:耳鼻科の診察を受けて     Date: Tue, 17Feb 2004 22:47
こんばんわ。返事がおそくなりました。和歌山医大の耳鼻咽喉科の○○先生の診察を受けてきました。その結果、扁桃腺肥大で、ややアデノヘドも大きい事、喘息があることなどから、切除を勧められました。睡眠時の口呼吸、無呼吸状態などをモニターをつけて一晩検査し、ビデオによる睡眠時の呼吸の様子を撮影し診ていただきました。その結果もそれほど無呼吸状態 はひどくないとのことでした。また酸素濃度が86%とのことで、少しすくないとは云われました。 絶対に切除しないといけない状態ではないとのことでしたが、やはり先生の意見としては、手術を勧めるとのご意見で、私たちも手術の予約をしてきました。 睡眠時の呼吸がいびきをかきながら、喉と漏斗胸のところがへこむのを見て、やはり負担がか かっているのだなぁと思いました。これなら、扁桃腺をとることで、胸のへこみもかなり負担がとれて、このまま漏斗胸は手術しなくてもいいのではないかとさえ思うほどです。 これで良かったのか?と少し迷いもありますが、これで病弱な息子が少しでも元気に成長してくれるのならと祈る気持ちです。色々とありがとうございました。
手術報告:手術を終えて、その後     Date: Sun, 16 May 2004 20:51
こんばんわ。返事が大変遅くなりました。昨日、メールをしたところエラーメールで返信されてきました。そして偶然にも、今朝の読売新聞の先生の記事を見て滋賀医科大学に移籍された事をしりました。写真の先生は私が想像していた通りの優しそうな先生でした。以前扁桃腺肥大と無呼吸、漏斗胸について相談させていただき、和歌山医大の先生を紹介していただきました。その後、三月二日に扁桃腺とアゼノイドの切除手術をしました。果たして手術すべきであったかと、自分が言い出したことで息子の身体を傷つけてまで・・・と不安な入院でしたがあれから2ヶ月余り・・・家族のだれもが「手術してよかったね。」というほど、元気になり、夜中も息をしているのかしら?と心配するほど静かに寝ていますし、喉も漏斗胸のところにも手を置いてみても負担がかかってないのがよくわかります。何より毎日していたおねしょもしなくなりました。 学校の先生も給食の食べっぷりに驚いています。(保育所ではいつもビリ争いをしていました) 飲み込むのにも負担がかかっていたんだと思います。毎日していた喘息の吸入剤も調子がいいので、今はストップして様子をみています。ただ、慣れない学校生活に加えて片道2kmの通学で疲れがでたのか、(去年おたふくになり、その際髄膜炎を起こし入院しました。そのあともう一度同じところが腫れたことがあったのですが、)今回3度目のおたふくになりました。こんなに何度も腫れることがあるのでしょうか?やっぱりさっそくお休みか?と少々がっくりしましたが・・・漏斗胸の手術を考えた事から始まり、ここに至ったことが今はほんとうによかったと思っています。とりあえずこのまま漏斗胸の方は様子をみようと思います。クラス一小さい息子ですが、運動は大好きで、跳び箱も一番高く跳べるようです。心臓に過大な負担がないのなら このままでいいのではと・・・ ほんとうにありがとうございました。 先生の益々のご活躍とご健康をお祈り致します。
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