眠らないとどうなる?

断眠の世界記録は264時間12分(約11日間)で
ギネスブックにも載っています。
この記録保持者はアメリカの17歳の少年ですが、
彼は眠らなくなって少しずつ、
イライラしはじめ、指が震えたり幻覚を見るようになったそうです。
断眠によって体に何が起こったのでしょうか?

人間の大脳は大変エネルギーを使う器官です。
脳は体重のうちの2%ほどの重さですが、
エネルギー消費量は体全体の20%にもなります。
眠らないと脳を休息・修復することができないので、
脳の細胞がダメージを受け、
指示系統がうまく働かなくなります。

また、ノンレム睡眠中に分泌される成長ホルモンは、
子どもなら体をつくり、
大人なら体の細胞を再生・活発化するほか、
体内で免疫や抵抗力を高める物質を作る働きがあります。
睡眠不足が続くと、この成長ホルモンの分泌を損なうことになるので、
お肌はカサカサ、免疫力が落ちて病気にかかりやすくなります。
さらにレム睡眠時の「脳の情報整理」がおこなわれないので、
認知・記憶にも支障をきたしてしまいます。

睡眠は、2種類の睡眠を繰り返すことで、
「脳の休息」「体の機能の回復」「情報処理能力の回復」
という大切な役割を担ってます。

 

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p26


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