朝日の光をたっぷり浴びる

人間は目覚めた時に朝日などの明るい光が目に入ると、
脳がそれを認識して体内時計を進め、
遅れをリセットします。
人によって多少異なりますが、
だいたい14時間から16時間後に眠たくなるようにセットされるのです。

室内の光の明るさ(照度)は、
屋外に比べてかなり落ちます。
明るいほど覚醒の度合いが高くなるので、
朝起きたら窓から外を見たり、
庭に出たりして朝の光を浴びると体内時計がリセットされ、
寝つきがよくなり、
翌日の目覚めもよくなります。
夜の寝つく時間を決めているのは朝の明るい光なのです。

ここであるお母さんの体験談をひとつ。

そのお母さんは、毎晩子どもの寝る時間が遅く、
朝はなかなか起きないことに大変困っていたそうです。
ある日、起床時間の30分前に
子ども部屋のカーテンを開けて朝日を室内にたっぷり取り入れたところ、
いつもより子どもがスムーズに起きることができたのです。
それから毎日、それを繰り返しました。
すると子どもは徐々に朝起きる時間が一定になってきて、
夜も早く眠るようになったそうです。

なぜそうなったのかは、もうおわかりですね。
朝の光で子どもの睡眠リズムが整ってきたからです。
遮光カーテンをやめたり、
レースのカーテンにするだけでも、
朝の目覚めはかなり改善します。

 

出典:宮崎総一朗『伸びる子供の睡眠学』(恒星社恒生閣、2009年)、p49


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